8月20日(水) わたしの主張(村上・岩船地区大会)

 村上市教育情報センタ-で開催された「わたしの主張大会」では、岩船中学校を代表して、3年生徒が「生きている今を大切にすること」について発表し、奨励賞をいただきました。

 家族との出来事から学んだ「生きている今やるべきこと、人から話を聞き、その経験や生き方に学ぼうとすること」「あたりまえと思っていることが決してあたりまえではなく、自分に関わるすべての人との1日1日の後悔のない言動を心がけること」や、これから大切にしていきたいことを思いを込めて発表しました。



今を大切にすること、人から学ぶこと     村上市立岩船中学校 三年

 

昨年の出来事です。それは突然のことでした。授業中、急に教室のドアが開き、先生が私のところに向かって来ました。「お爺さんの肺炎が悪化して、今すぐ病院に行かなければならない」。頭が真っ白になりながら、急いで母と姉と三人で病院に向かいました。祖父の病室まで歩いている間はなんだか夢を見ているようで、現実を受け入れられませんでしたが、ベッドの上で目を瞑っている祖父を見た瞬間、姉と同時に泣き出しました。数日前にお見舞いに行った時は元気で、たくさん話しました。「あんなに元気だったのに」と、悲しさと悔しさが混ざり合うような気持ちでした。数週間後、祖父は七十二歳でなくなりました。振り返ると、祖父とのたくさんの思い出がよみがえります。同時に、祖父との時間はあっという間だったことに気づかされました。

 祖父は自然や昆虫に詳しく、小さい頃からいろんなことを教えてもらいました。もっとたくさん話したかったし、教えてもらいたかったです。亡くなった祖父に話しかけることはできても、もう祖父の経験談や考えを聞くことはできません。きっとお年寄りにしかわからないこと、大切な人生経験があるはずです。私たち若者はお年寄りの経験や教訓をもっと真剣に聞こうとする姿勢が必要だと思いました。

 もう一つ、今年の七月、父が急に体調を崩しました。六月頃から体に違和感のようなものがあったようでしたが、その日はそれまで以上に酷かったらしく、声もいつもと違い、姿勢のいい父が前のめりになって座っていました。やがて救急車のサイレンの音が聞こえ、徐々に近づき、家の前で止まりました。次の瞬間、父が救急隊員の肩を借りて歩いている姿が目に入りました。自分はパニックになりそうな気持ちを何とか落ち着けることで精一杯でした。

上手くいくことばかりではない家族の関係。中学三年になった今、親と意見が合わず、言い返すことや気まずい気分で家を出る朝もあります。けれど、そこにいること、いてくれることをあたりまえと思いこんでいた私にとって、この出来事は「人は何が起こるかわからない」、「あたりまえと思っていることが、ある日突然失われてしまうこともある」ということに気づかせてくれました。

これらの出来事から、私は生きている時間と人間関係を、改めて大切にしなければと考えるようになりました。家族との限られた時間を無駄にすることのないように、これからの道を歩んでいこうと思います。

また、家族だけでなく、自分に関わるすべての人との関係も同じだと思います。今まで、まわりの人たちのことをあたりまえと軽く考えたり、思いやりのない言葉をぶつけてしまったりすることもあったかもしれません。自分と合わない人とぶつかる時もありますが、その人のよさを見ようとして、つき合うことが大切だと思います。自分の友達や地域の人との関わりも深め、後悔のない時間とすばらしい思い出をつくっていきたいと思います。私は時々「時間が無限にあれば」と思うときがありました。でも、限りある時間だからこそ、生きている今を大切にするべきということに気づきました。

中学三年生となり、あと半年で卒業の時が来ます。今までの人生のほとんどを共にしてきた仲間との別れが待っています。 祖父の死から学んだ、「生きている今やるべきこと、人から話を聞き、その経験や生き方に学ぼうとすること」。父の出来事から学んだ、「あたりまえと思っていることが決してあたりまえではなく、自分に関わるすべての人との一日一日の後悔のない言動を心がけること」。この学びを教訓とし、すべての人たちとの出会いと絆を大切にして生きていきます。







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