8月20日(木) わたしの主張(村上・岩船地区大会)

 「わたしの主張大会」では、岩船中学校を代表して、3年が「私たちにできること」をテーマに発表し、優秀賞を受賞しました

 『戦争を「遠くの出来事」と人ごとにするのではなく、世界で起きている現実に関心を持ち、戦争体験者から歴史の教訓を学び継いでいく姿勢が大切である』という強い思いを込めて発表しました。


私たちにできること

皆さんは 今起こっている戦争を どう考えていますか?「遠くのことで 実感がない」という人が多いのではないでしょうか。しかし、今、世界のあちこちで 戦争が起こっているのが現実です。最近ではイランとアメリカの戦争。石油など日本に大きな関係があるためか 連日ニュースは続いています。しかし、ウクライナとロシアや、イスラエルとパレスチナなどは 報道が減りました。同じアジアですが、ミャンマーなどの内戦は ほとんど報道されません。戦争を「遠くのこと」にしているものは 何でしょうか。

私は、時々 疑問に思うことがあります。「二度とあってはいけないこと」と 誰もがわかっていることなのに、なぜ戦争は起きるのでしょうか。人類は歴史に学ぶことはできないのでしょうか。以前、広島原爆の写真を見ました。その悲惨さを思うと同時に、「こんな事があったのに まだ核兵器が存在しているんだ」と思いました。核兵器や戦争の恐ろしさは 誰もが分かっているはずなのに、なぜ終わらせることができないのか、私は不思議でなりません。   

私は祖母から 戦争の話を聞きました。私の祖母は、当時日本が占領していた 中国の満州という国に移住し、六歳まで過ごしました。家長は祖母の父親、私から見ると曾祖父に当たります。曾祖父は軍関係の仕事をしていたため、戦争が始まると 当時のソ連の人達にシベリアに連れていかれました。

祖母には二人の、まだ小さな弟がいました。一人は戦争中に 百日咳にかかりました。今なら病院であたりまえに薬をもらえます。でも、戦争中だったので、医者に見てもらうこともできずに 死んでしまいました。祖母の母親、私にとっての曾祖母は、攻撃から身を隠すために、手で穴を掘って 子供たちを守ったそうです。ですが、曾祖母は自分が食べるものがなく、お乳が出なくなりました。二番目の弟はお乳もミルクを飲むことができず、栄養失調で死んでしまいました。

曾祖母の気持ちは どんなだったでしょうか。一生懸命に産み育てた 自分の子供二人を同時に亡くしました。曾祖母は二人を土に埋め、遺品として、二人の髪の毛と爪を切って アルミの弁当箱に入れました。祖母はそれを持って 家に帰ってきたそうです。そして、やっとのことで日本に帰って来た祖母は実家のトイレを見て一言。「ここのトイレ綺麗だね。ここで寝れるね。」と言ったそうです。トイレを見て「ここで寝れるね」なんて 子供の口から出るでしょうか。いったい戦争には どれほどの語られていないこと、ニュースでは伝えていないことがあるのでしょうか。

テレビのニュースでは、今日も戦争の状況を報道しています。「ひどい」、「可哀想」と思うだけではいけないと思います。「自分たちにできることはない」という人もいるでしょう。たしかに今の私たちには 何もできないかもしれません。けれど、現状を知ることはできます。「何もできない」とあきらめて、私たちは「遠くのこと」と目をそらしているのではないでしょうか。テレビでもネットでも、戦争を忘れさせるような楽しい情報があふれています。まだ具体的には なにもできなくても、戦争のニュースに目を向ける時間をもち、毎日変化する世界の現状を 知ることから始めるべきだと思います。

そしてもう一つ。戦争の本当の悲惨さを、実体験をもって知っている人たちは 年々減っています。もしかしたら あまりにも辛く、悲しく、恐ろしい経験だから、話せないという方もいるでしょう。でも、今聞かなければ 時間は過ぎ、やがて戦争を知る人はいなくなります。戦争だけにとどまったことではありません。私たちは戦争を知る先輩方に、もっと歴史の教訓を教えてもらおうとする態度が必要だと思います。少子高齢化が問題となっていますが、お年寄りの中には よりよい世の中にするための経験と考えをもっている人が たくさんいるはずです。それを 若い私たちから求めていこうとする態度と行動が大切だと思います。


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